• 三田村

強迫症(強迫性障害)とは?

強迫症とは,強迫観念と強迫行為が特徴的な問題です。


強迫観念とは

「自分がこんなこと(不適切なこと)をしてしまうのでは!?」「~(病気や問題など)になってしまう!」といった繰り返し頭の中にやってくる考えだったり,「こう(不快を取り払うような行動を)しなくては!」といった衝動,不快だったり怖い映像的なイメージ,のことをいいます。


そんな考えやイメージが湧いてきたら,怖くなったり,不安になるのが自然なことでしょう。


そして,

強迫行為とは

強迫観念に促されるようにして,しばしば本当はやりたくもないのに,繰り返し繰り返し行ってしまう行動のことです。


何かの儀式のように,具体的な何かを生み出したり,解決するでもなく,他の人から見ると不可思議に見える行動でも何度もなんども繰り返してしまったりします。


「うまくいかない」と感じた時にはさらに同じ動作を繰り返すこともあり,ついに「これだ!(まさにぴったり)」という感覚を得るまでやめられないかもしれません。これはご本人にとってはなかなか辛いことです。


ちなみに,強迫行為は必ずしも目に見える動作とは限らず,頭の中で数を数えたり,なんどもチェックしたり,「そんなことはない!」と心の中で繰り返し念じたりすることも含まれます。



多くの人が,多少なりともこれらに似た体験をするかもしれません。

しかし,強迫症の辛いところは,あまりにも強迫観念がしつこく,そして,強迫行為をどうにも止めることができないところ(例:1時間も手を洗わなくてはいけない,鍵かけを何度も確認するのでなかなか出かけられず,引き返すことまである)にあります。

場合によっては,ご家族に対しても「私の手はきれいになってる!?」と繰り返し確認するようになってくることもあり,ご家族の悩みとなることもしばしばあります。


強迫観念・行動の種類やテーマ

強迫観念や強迫行動にはさまざまな種類もしくはテーマがあります。

汚染に関するもの

・物事の対称性に関するもの

禁断やタブーに関するもの

他人に危害を与えてしまうことに関するもの


また,強迫症を抱える人は,責任感が強過ぎたり,危険な事柄に関して厳しく評価し過ぎたり,完璧・完全を求めたり,曖昧なことをそのままにできなかったり自分の考えたことを重要なことであるとみなしたり,自分の考えをなんとかコントロールしたいとがんばり過ぎたり,といった傾向があるかもしれません。


強迫症については,認知行動療法を代表とした効果的な心理療法(例:曝露反応妨害法,ACT)が開発されています。

強迫症に悩まされている方は,まずはご自身の状況を整理するところから始めるのが役立つでしょう。



参考文献

American Psychiatric Association (2013) Diagnostic and statistical manual of mental disorders, 5th ed., Washington, DC, (高橋三郎・大野裕 (監訳),染矢俊幸・神庭重信・尾崎紀夫・三村將・村井俊哉 (訳). (2014). DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル.東京,医学書院).


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